2009/08/31

ヒゲ猫その1

台南の猫
 台南は犬だらけだが、猫も多いぞ。
 しかも台南の猫は、写真のように髭みたいな模様のヤツが多いぞ。

西來庵噍吧哖紀念館

西來庵噍吧哖紀念館
 浅草青春新天地を抜けた我々は、正興街を歩く。それは単に裕成水果方面へ行こうとしただけなのだが、ふと右手に廟を見つけた。
 廟といえば見学せねばならぬ。何の躊躇もなく足を踏み入れて、二歩ぐらいで足が止まった。

西來庵噍吧哖紀念館
 右手にはこんな写真が。

西來庵噍吧哖紀念館
 そして左手。
 入ってはいけない場所であることに気付いたが、幸い誰もいなかったので、撮影して、一応は拝んで、速やかに去ることにした。

西來庵噍吧哖紀念館
 帰国後に確認してみると、ここにも謝将軍と范将軍がいる。死後の冥福を祈る廟だからこそ、というところか。

西來庵噍吧哖紀念館
 いうまでもなくこれは、西来庵事件(日本での呼称)の英雄、余清芳らを祀る廟である。
 台湾で最大の抗日運動とされるこの事件は、噍吧哖(タバニー、つまり玉井)を中心に台南地区で多くの日本人が殺害され、首謀者とされた余清芳ら数百名が死刑とされた(実際には恩赦になった者も多い)。

 高圧的な為政者が、弾圧する代わりに箱モノを与えていく植民地経営。そうして残った箱モノを「俺たちが与えてやった」と言いながら称賛するような連中は、いかにも侵略者の子孫にふさわしい。
 我々は基本的に観光客に徹している。かつてこの地を侵略した国の国籍をもってはいるが、過去の侵略をどうこう出来るわけではない。友好的な旅人であり続けるぐらいが、ちょうどいいポジションなのかな、と思う。

火龍果(ドラゴンフルーツ)を食す

火龍果
 台湾名「火龍果」という果物を、一般にはドラゴンフルーツと呼ぶらしい。そしてそれはサボテンの実である……という程度の知識はもっていた我々。条件があえば一度食べてもいいかな、なんてぐらいの気分だった。
 が、そんな適当な気分だったのは私だけだったらしい。
 相方hashiは旅行中ずっと探し回っていた。裕成水果になかった時は本気でがっかりしていた。前回はスターフルーツを、今回は釈迦頭を買った水果店(光復市場の忠義路に面したところ。店名は不明)にもなかった。


 私はそれほど執着がないので諦めていた4日目の夜、ホテルへの帰路に通りがかった店で、なんとドラゴンを発見してしまった。
 さっそくhashiは店員に、切ってほしいと頼みはじめる。怪しい身振り手振りでどうなることかと思ったが、どうにかなるものだ。
 けっこう時間がかかって、やっと店の奥から現われたhashiは、なぜか切盤を二つ手にしていた。切ってくれと頼んだのが白い果肉、対して店のお姉さんは赤い果肉を奨めてくれたらしい。価格は二つで80元であった。

 写真はその店。derorenカメラはバッテリー切れだったので、hashiのダメダメカメラで撮影したものしかない(そのダメダメなカメラは、hashiの所有物ではなく、かつて私が使っていたヤツだが)。ボケボケである。
 しかし店への感謝を込めて、店名は探したぞ。榮興水果店である。成功路と公園路の交差点にあるので、台鐵台南駅からは徒歩10分以内。赤崁楼からも徒歩で行ける。フルーツ牛乳とかもその場で作ってくれるのでオススメだぞ(赤ドラゴンは、恐らくは生ジュース用)。

火龍果
 さっそくホテルに戻り、実食。
 まずは白い果肉の方から。食べてみると………、かなり微妙だ。果物というよりは芋に近い感じがする。甘味も酸味も弱いのである。

火龍果
 そしてご推薦の赤い果肉。
 これはもう………ビックリのうまさ! キウイフルーツに似ているが、キウイよりも繊維質がないだけ果物としては上だと思う。日本でもこのレベルが手に入るなら大人気の果実となるに違いない。

 帰国後に調べてみたが、ドラゴンフルーツの味には熟し具合と水分量が関係するらしい。
 まず、追熟しないので、完熟状態でなければ美味しくない。これに関しては、恐らく白い果肉の方も完熟だったはずだ。なので水分量が決め手か、ということになる。
 写真でも分かるように、赤い方が明らかに水分量が多い。逆に少ないからこそ、白い方は芋を連想させるのだろう。白い方も別に不味くはないけれど、驚きの味に出逢いたいなら完熟の赤をオススメするぞ。

※hashiのmixi日記にドラゴンフルーツの記事があるので、こちらは不要とも考えたが、mixiを見れる人は限られているため別途掲載する。mixi入ってる人はそっちの記事も読んでくだされ。探しまわった本人の弁なので、気合いの入り方はかなり違うぞ。

台鐵台南駅と手相

台湾鉄道管理局台南駅
 私は少しだけ鉄分を含むのだが、台湾ではそういう気分にならず、台鐵を一度も利用していない。
 いや、実は初回の旅の計画では、最終日に台鐵で高雄に行き、数時間高雄で観光して桃園へ向かうことも考えていた。しかし相方が乗って来ないし、調べていく内に台南でまわるべき場所が増えすぎて、結局は断念した。
 で、今回は……といえば、ご存じの通り八八水災である。台鐵の西部幹線は東部ほどではないにしろダメージを受け、8月11日の段階でも一部不通となっていた。この写真の14日にはもう復旧していたようだが。
 台鐵台南駅は、今回も眺めただけ。それでも前回は夜に遠くから見ただけなので、今回の方がだいぶ近いぞ。

手相
 駅前には巨大かつ怪しいビルが建っていた。一階のスーパーらしき所で青草茶を買ったら賞味期限が過ぎていた。波照間島以来だぜ!
 そして手相である。以前の台北のヤツと比べれば、これでもずいぶんおとなしい。でもまぁ、こうやって直接的に表現しないと占い産業は成り立たないんでしょうな(かつての石切みたいなノリだ)。

2009/08/30

西華堂(三) 意匠、潘麗水の作品など

西華堂
 その(二)でも触れたような鉄尺による窓。煉瓦造は台南には珍しくないが、それが普通に寺院として成り立ってしまうのが不思議だ(まぁ台湾には西洋建築の寺院すらあるのだが)。
 基本的に、この建築は台南の民家の様式をベースとしているらしい。

西華堂
 内側から窓を見る。ちょっとステンドグラス風だ。
 なお二つの窓はそれぞれ「清風」「明月」である。

西華堂
 門神画。こちらは韋駄である。蔡草如の開元寺のものより顔が若い。
 こちらは台南出身の潘麗水(1914─1995)によるもの。潘家は代々絵師をつとめた家で、彼の父も画家、そして息子の潘岳雄は現在も活躍中。
 の作品は法華寺(最後の方に一点載せてある)や台湾府城隍廟(前回の記事には載っていないが、二度目訪問記で掲載予定)、北極殿(同じく前回は未掲載、二度目訪問記で掲載予定)にある。

西華堂
 伽藍像。
 今回の旅では門神画を撮りまくった。明らかに印刷って感じのものもあるけれど、けっこう小さな廟でも立派な絵が描かれていたりする。
 西華堂の門神画は、かなり保存状態も良い。息子によって補修されているのかも。

 なお韋駄・伽藍の外側の二神は唏哈の二将。要するに仁王像である。
 ちなみに「唏哈」はため息と怒鳴り声のようだ。「阿吽」とは偉い違いですな。

西華堂
 堂内の左右には、釈尊の事蹟が描かれている。こちらは「迦葉付法」。出家した迦葉が釈尊と出逢って仏弟子となる場面であろう。
 実はこれらも潘麗水の作品である。


 こちらは……、なんでしょう。釈尊の事蹟には詳しくないので申し訳ない。

西華堂(二) 正堂と拝亭

西華堂堂門
 拝亭の入口としての堂門。門と呼ばれてはいるが、拝亭・正堂とは一体化している。
 西華堂は清の乾隆十五年(一七五〇)に創建された、斎教(菜教)金幢派翁文峰系の寺院である。斎教とは簡単にいえば在家仏教なのだが、実際は日本でイメージされるそれとはかなり違う。
 日本では寺院にいる僧侶すら戒律を守っているのか怪しいけれど、斎教の信徒は在家といえども厳しい戒律を遵守している。菜教という別称は、要するに素食(精進料理)しか食べないという意味である(まぁ台湾の素食なら守れそうだが……)。

西華堂
 「西華祖堂」の額がかかる門。壁には鉄製の飾りがはめ込んであるが、これは壁鎖(鉄尺)といって、オランダ統治時代の遺風を伝えるものらしい。煉瓦造りとあいまって、何とも不思議な折衷建築である。
 また、正面の二本の石柱に何か彫ってあるのが見えるだろう。家々の門にも見られる「対聯」であるが、それぞれの句の冒頭は「西」と「華」だったりする。

※装飾などについては別記事で紹介予定

西華堂
西華堂
 堂内は奥行きがあり薄暗いが、明かり取りの窓が面白い(別記事で紹介する)。
 注目してほしいのは柱などに描かれた絵。花鳥、そして釈尊の生涯などが彩り鮮やかに描かれている。この細かさは台南でもあまり見ないものだ。
 なお、釈尊の絵のところでまた二本の石柱が建っている(ここも「西」「華」である)。柱の奥が正堂で、手前が拝亭となるだろう。

西華堂釈迦三尊像
 本尊は釈迦三尊。ただし釈尊の両脇は阿弥陀と薬師らしい。この三尊を中心に、観音と地蔵が供奉するのだと、『台南歴史深度旅遊』にも書いてある。

 そもそも斎教は在家仏教には違いないが、正確にいえば仏教・儒教・道教の良い部分を取り込んだものである。実際、仏法僧を尊び、五戒を守り、仁義理智信を理想としたりするわけである。
 書物に載る写真では黒づくめの衣装で拝んでいたりするし、どうにも難しい宗教である。一応、仏教については臨済宗の流れらしいけど、もうそういう出自で語れる状況ではなさそうだ。

西華堂(一) 三合院建築

西華堂
 台鐵台南駅から歩いても十分とかからない、西華街と北忠街の角に西華堂がある。
 この門は北忠街側。西華街からも入れなくはないが、出来ればここから参詣してほしい。西華堂という不思議空間の入口としては、こちらしかない。

 なお、門の左手に何の特徴もなさそうな木が緑を茂らせているが、実は波羅蜜(ジャックフルーツ)である。ちゃんと実もついていた。まぁそっちはいずれ別記事で(hashiのmixi日記を見た人はもう知っているよね)。

西華堂
 門に掲げられた石額。

西華堂
 この日(8月14日)は台南市内の断水がほぼ解除されたのだが、境内の井戸は大活躍の様子だった。まぁ奥の生活空間でも使っているだろうし、沢山の植木鉢に水やりもしているに違いない。
 ところでこのポンプ、「正忠牌」である。「津田式」ポンプは安平などで見かけたが、このごつい奴は津田系列ながら台湾人によるものだとか。

西華堂
西華堂
 二進(中央に二堂)三護龍(周囲に三堂)の三合院建築が特徴の西華堂。コの字型の中央の空間は、都会にぽっかり空いた異空間だ。
 写真でも分かるように、沢山の草木が植木鉢で育てられている。これは開元寺など仏教寺院だけでなく、台湾府城隍廟のようにおどろおどろしい廟でも同様だったりする。こういう生活臭みたいなものもまた、台南の(台湾の)魅力かもしれない。

福州公廳天后宮

福州公廳天后宮
 西華堂のすぐ近くにある小さな祠。また天后宮か……と思ってしまったわけだが、実はこの祠を覆うように聳える榕樹(ガジュマル)が貴重らしい。確かにでかい。
 開元寺や安平や孔子廟なんぞを周る観光客である我々は、榕樹の大きさに慣れてしまっている感がある。まだまだ町歩きのスキルに難があるようだ。

 なお、「公廳(庁)」を廟の別名みたいに言う人もいるようだが、基本的にはやはり公的な性格をもつ施設の呼称らしい。
 総爺老街を中心に、西は三山国王廟、東は西華堂あたりまでの区域は、台湾でもっとも古くに福州人が定住した地である。定住というか、軍隊としての駐屯の方が的確なのかも知れないが、ともかくそういう人たちの公民館みたいな場所だったと考えるのが妥当のようである。
 でまぁ、そういう海を渡る人たちだから、媽祖廟なのだろう。

福州公廳天后宮
 2010.5に再訪。
 2台分のガレージの片方にこうやって祭壇があるが、あと半分はガランとしている。聖誕を祝ってる雰囲気も全くないのは不思議である(この日は聖誕日の前日)。

2009/08/27

龍眼日和

光復市場
 朝飯を食ってさらに豆花も食って、我々は満たされた腹で光復市場へ向かう。
 水災直後でも市場は元気だ。そりゃそうだ、食べなきゃ人間生きていけないのだ。

 そんな市場の片隅で、阿桑が何かを紐で結わえている。
 ヲ、コレハ龍眼ヂヤアナイカ。

龍眼
 一束100元の龍眼を買って我々は一度ホテルに戻り、さっそく試食。
 ただし、龍眼の皮はかなり土で汚れているので、まずは洗う。貴重な水を使って申し訳ないと思うが、たぶんトイレ一回分にも相当しないので許してくれ(我ながらイヤなたとえだ)。
 洗い終えた龍眼が上の写真。相変わらず土気色をしているが、これはこういう色である。

龍眼
 クックック覚悟はいいか……という感じで(どんな感じだ)皮をむく。
 見よこの透明感(写真はクリツクすると大きくなるよ。他もすべてそうだが)。ライチと近縁だけに似たような感じだけど、この美しさは生ならでは。龍の目というか、ゼラチンに覆われた虱目魚の目みたいだ。

 食べ方もライチと一緒で、種を包み込む果肉をそぎ落とすように食す。ライチほど肉厚ではないし、酸味がないので比較したら物足りないかもしれない。
 けどまぁ、南国果実としては癖がなくて安定感がある。それに乾燥果実は漢方で用いられるぐらいだから、何だか身体に良さそうだ。けっこうな束だったが、最後は空港の待合室で完食した。周りの客に見せびらかすように食ったぞ(台湾人にとっては珍しくもないか)。

龍眼の木
 購入翌日。西華堂を訪れた我々は、ふと足元の異臭に気付く。何か落ちてるなぁ……と見上げたら、なんと龍眼の木だった。
 かなりの高木の先で、沢山の実がなっている。そして熟しすぎて腐った実がボタボタと落ちるのだった。台湾はやはり熱帯だ。

2009/08/26

南廠廣州宮

南廠廣州宮
 前回は近くを通っただけの宮を訪問。

南廠廣州宮
 三坪祖師とは大陸の三坪寺と関係するらしい。大陸の寺院はたとえばこんな紹介がある
 ただ、上のリンク先に「祖師」の説明はない。ここが客家人関係の拠点で、大陸の信仰を持ち込んだのは確かなのだろう。しかし現在の仏教色皆無の廟は、もうすっかり台湾化した姿といえそうだ。

2009/08/25

林家魚皮(台南市中西区)

林家魚皮
 マッサージの後に赴いた林家魚皮。なぜこのタイミングかといえば、本当に開店しているか半信半疑だったからである。
 八八水災では安南区の養殖池にもかなりダメージがあったと報道されていた。虱目魚が手に入らなければ、ここも阿憨鹹粥もどうしようもないではないか。なのでこの日(8月12日)、マッサージで軽くなった勢いで出掛けたのだ。まぁ閉まっていても近所にいくらでも行きたい店はあるけどさ。

林家魚皮
 拍子抜けするほど当たり前のように店は営業していた。有名店としては非常にこじんまりとした調理スペースで、しかし食事客もテイクアウト客もどんどんやって来る。全くいつも通りなので、我々も予定通りに頼んでみた。
 なお、この店は注文用紙にチェックを入れる方式なので、言葉がしゃべれなくとも問題ない。

林家魚皮
 看板メニューの魚皮湯(50元)。抜群にうまい。
 しっかりダシの出た汁に、ショウガが効いている。日本の料理にもよく合いそうな味で、虱目魚の皮も見た目通りの舌触り。阿憨鹹粥とは調理法が違うので比較はできないが、日本からの観光客にはこちらの方がうけるのではないかと思う。
 なお、林家魚皮にも鹹粥はあるよ。頼んでないので味は知らないが。

林家魚皮
 煎魚腸(40元)。一度はチャレンジしたかったサバヒーの腸である。
 焼いたというより揚げた感じの腸は、全くクセもなくうまい。サナダ虫みたいな腸だけでなく、他の内臓もあるのだが、これも食感が面白いのでオススメ。

林家魚皮
 すんません肉燥飯(15元)だす。
 今回の旅では三度も食べたっす。相方も呆れていたが、あれば食べたくなるのだ。

林家魚皮
 最後は高級な石班湯(90元)。石班魚はどうやらハタの仲間らしい。言われてみればなるほど、昔どこぞで食ったクエ鍋の身と似てなくもない。
 まぁそれはともかく、これはうまい。しっかりした白身が、ショウガの効いた汁と実によく合うのだ。サバヒーだけじゃなく、こちらも是非食べて欲しい。

 この店のメニューには他にも沢山の「湯」がある。スープが共通するので、恐らくはどれもうまいに違いない。粥系も含めて、再訪すべき店ではないかと思われる。
 なお、ご存じの方もいるだろうが、この店は最近移転している。以前は海安路にあったが、今は海安路と府前路の交差点から、府前路を東に行ったあたりだ。保安宮の北側だと思えば良い。

鄧老師養生館 二番勝負(その一)

鄧老師養生館
 何が「二番勝負」かといえば、つまり要するに二度行ったということであるぞハッハッハ。
 ということで、前回はhashi一人で出掛けた鄧老師養生館(店でもらったカードには「鄧老師脚底按摩全身推拿養生館」とある)に突撃。今回は予約をしていない。決まった人に頼むのでなければ、あまり必要なさそうだ。予約すると旅行日程が制約されるので、しないで突撃することを奨める。
 で、上の写真の椅子は脚底按摩(足ツボマッサージ)用だが、初回の我々はここに座らなかった。なぜか? なんと金が足りなかったのである!
 旅旅台北にはクレジットカード可と書いてあるけれど、どうやらそれは店によって違うらしい。台南永華店ではカードが使えないので注意してくれ(念のため弁明しておくと、ホテルの金庫に現金の大半は置きっぱなしだった。ギリギリの現金で、あとはカード払いで済ますつもりだったのだ。で、お茶を大量購入したので現金はギリギリだった)。

鄧老師養生館
 そんなわけで全身推拿(全身マッサージ60分800元)のみ受けることになった。本当はそこに上海泡脚(足湯、つまりラヤンハイ)も含まれるが、この日は断水のためマッサージの追加サービスで対応とのこと。
 二階に昇って、カラオケボックスのような個室(ベッド二つあるけど)へ。

鄧老師養生館
 手術台……ではなくベッド。ここでそれぞれ記念撮影したが、さすがにバカ過ぎるので掲載はしない。
 マッサージは、ベッドの上にある服に着替えて行う。台北の胡散臭い店みたいに全裸にはならないのでご心配なく。男は下半身のみ、女性はもちろん上半身の服もある。

 そうして初体験となった推拿は、普段から凝っている自覚のある私には非常に興味深かった。ほう、そこをそうするか、てな感じで。
 相当に力は入っていて、お尻とふくらはぎをゴリゴリやられた時は、思わず呻き声が漏れる。が、やめて欲しいという程でもないので、されるがままにゴリゴリやってもらった(隣のhashiは手加減してもらっていた)。
 片エビ固めみたいな技をかけられたり、なんかちょっと楽しくなりながら一時間はあっという間に過ぎた。まだ台南二日目で、疲労の蓄積度はそれほどでもなかったはずだけど、心持ち軽くなった身体で我々は夕食に向かったわけである。

 なお帰りがけに、我々の担当の名前を書いてもらった。次からは指名してくれ、とのこと。正直、他の施術師がどうなのかも興味はあったが、結局その通りに二度目は指名した。三度目はいつになるか分からないけれど(少なくとも来年まで無理だな)、また指名するかもしれない。

※一応、公式サイトはこちら日本語版ではラヤンハイ
 台南永華店では脚底按摩(40分)600元、全身推拿(60分)800元、上海泡脚のみは20分200元。なお、別の支店開店を記念して、上海泡脚と脚底按摩に上半身推拿で1000元という限定コースがあった。8月いっぱいで終わりのようだが。

2009/08/24

断水の台南新天地と安平豆花(台南市中西区)

台南新天地
 前回の旅行では唯一の単独行動となったのが台南新天地。相方はその時間にラヤンハイしていたわけだが、今回は揃って全身按摩の後にここへやって来た(途中で林家魚皮とかあちこち寄った)。
 台南市内はこの日、まだ「停水」中。曽文渓ダムが濁りすぎて、浄水場でも浄化できなくなった……とは、もうどこかに書いたはず。台南新天地はそれでも営業するわけだから、こうして給水車が停まっていた。

同記安平豆花
 ともあれここで買い物をして(たいして買えなかったが)、同記安平豆花の豆花を食べてみた。緑豆を選んだ理由は、前回の郭家緑豆湯以来、我々は緑豆ファンだからである。
 豆花は普通にうまい。黒蜜味の時点でいいし、やはり緑豆が効いている。翌日に食べた無名豆花と比べても甲乙つけがたい好勝負だ。

 というか、私が翰林茶館で珍珠奶茶を買ってる間にhashiがゴッソリ食べてしまったので驚いた。私以上に豆花にはまったようだった。

開元寺(十一) 2009年8月某日のお昼前

開元寺
 私が台南に出掛けるきっかけになった開元寺だから、十一回にもわたって連載しているわけではない。開元寺は、写真で見ては分からない場所だ。とても居心地のいい場所だ。
 予定を切り上げて昼寝したい場所だ。

開元寺
 見るからにオガタマノキの仲間なのだが、日本ではあまり見かけない木。ギンコウボクなどと呼ばれるらしい。
 ちなみにこの景色、5月はじめと8月中旬でほとんど変化がない。台南を旅して「熱帯」を意識することはあまりないのだが、こういう部分は日本と大きく異なる点である。

開元寺
 青空とヤシと白い建物とくれば、1969年以来スピリットを置いてないホテルだ。遠目にならそれっぽく見えるのは、普段こういう環境に住んでいないからだろう。
 なお、手前は農園である。あの面積だけでは自給自足ともいくまいが、僧侶たちがここで暮らしているという生活臭を感じられる場所だった。

開元寺
 無造作に薪がおかれていた。上の写真の手前の景色。

開元寺
 目つきの悪い猫もいた。この寺の尼僧にはきっとなついているに違いない。

 お勤めが終わり食事も済んだらしいこの時間、僧房(アパート)のベランダには、くつろぐ僧侶の姿が見えた。そういう時の流れを羨ましく感じるけれど、たぶん自分がそうだったら逃げ出すんだろうなぁ、と思う。
 このブログを読んだ皆さんも、きっと同意するでしょ? この貧乏根性が滲み出たブログを読めば!