2012/02/28

台南市公式サイトの観光情報の現況

tomopee
 ボクはもうすぐ台南行くんだぜ、やーい。
 …などとtomopeeが口走ったかは定かでない。いや、まだ口走れないぜ。


 台南市の観光情報サイトとして重宝しているのが、府城逍遙遊である。しかし実はこのサイト、台南市公式サイトからは飛べなくなっている。
 それは他でもない、台南市合併の余波である。

 府城逍遙遊は旧台南市の観光サイトで、特に市内の古蹟紹介が充実している。『台南歴史深度旅遊』にすら取り上げられない古蹟が拾われている点は評価できる。地図はあてにならないが。
 一方、旧台南県にも観光サイトがあった。それが台南好好玩である。新台南市では府城逍遙遊を閉じて、台南(南市)好好玩に統一する方針のようだ。
 とはいえ統合は全く進まず、府城逍遙遊へのリンクだけ外されている。何というか、直轄市になりたいが故に無理矢理合併したツケを払わされている感じだ。

 まぁそれでも、府城逍遙遊が削除されていないだけマシだ(一時つながらない時期もあったが、今は復活している)。以前は日本語もあったんだけどね。
 台南人にしてみれば、誰も気にとめないような路傍の石碑を見るために、わざわざ外国人がやってくるわけで、そんなマニアックな需要が増えるとは思えないから、日本語サイトの復活までは求めない。deroren自身は、日本語サイトがあっても原文で読むし(翻訳に信用がおけない)。
 台湾国内の街歩き需要に、新台南市もしっかり応えてほしいとだけ願う。

2012/02/27

旅の準備中

tomopee

 往復航空券とホテルの手配は済んだので、あとは滞在中の内容を検討している。
 ベビー用品店は、場所さえ知っていれば無理に行かなくとも良い。ベビーフードとおむつという二大消耗品は、日本から持って行けばいいのだ。

 それにしても、某グーグルのストリートビューは役に立つ。不正確極まりない地図を補って余りある。それを、上の写真に映り込んでいる地図帳に書き込めば、見知らぬ土地でもバッチリだ。
 今や個人情報をねこそぎ奪おうとするブラック企業の顔もあるが、本ブログはまさにそのブラック企業の提供なのだし、どうこう言っても始まらない(アカウント設定でできることはした)。
 アンドロイド携帯を使っていないから、まぁ大したダメージじゃないし。

 なお、tomopeeは地図帳よりも、その先にあるカメラレンズの蓋にご執心である。というか、地図帳を無理矢理映り込ませるために、エサを置いたというのが正確な表現だ。
 かつて国土地理院の地図を買い漁ったderorenの血を引くのだから、いずれこの地図帳はtomopeeの愛読書となるに違いない。地図はいいよねー。

2012/02/25

塩酸ラクトパミン問題

飼料の量が同じでも大きく育つとか、赤身肉が劇的に増えるとかいう塩酸ラクトパミンについて、台湾で今議論が起きている。
 一言でまとめれば、牛に与えることを認めているアメリカが、そもそも塩酸ラクトパミンを禁止している台湾に、食肉輸入を認めさせようと動いている。で、国民党政権は受け入れ、民進党は反対という状況らしい(大手スーパーも軒並み拒絶しているので、単なる政党間の問題ではない)。
 我々が出掛ける先は民進党の牙城なので、当然反対する側になる。

 アメリカという後ろ楯がなければ、台湾は存続しえない。それだけに台湾、特に国民党政権が、アメリカの要求を拒絶できない事情はあろう。基本的に似たような立場の日本と比べても、依存度には大きな差があるはず。
 無添加無農薬を謳う台湾産の豆板醤が、遺伝子組み換え大豆を原料としていたりする事実もあった(私自身が買った岡山産のヤツにそう表示してあった)。日本ならば、どんなに添加物まみれであっても、遺伝子組み換え食品は使うまい。

 derorenは、「福島から来る車は放射能が付着している」とか騒ぎ立てるほどバカではない。素人の浅知恵が、科学者の見解より上であるかのような言論には組したくない。
 ただ、塩酸ラクトパミンについて言えば、リスクの説明が足らないのではと思う。導入側の論理は食肉残留度に偏っていて、生体に負担がかかるという反対側の主張と噛み合っていない。
 業者の言い分では、動物実験では寿命が延びるらしいから、それなら人体実験でもすればどうかと思うんだけどね。赤身肉が増えて引き締まったボディが手に入る、とか。


 まぁ台湾の議論は台湾の議論。
 問題は、我々の旅行の際に、アメリカ肉の締め出しが何らかの影響を与えるのかどうか、だ。
 牛肉麺とか牛肉湯には影響ありそうだよね。火鍋はどうせ食わないからどうでもいいや。


 おっと。
 屋台の牛排はどうする?
 あれは薬物どうこう以前に合成肉だ。あんなものを喜んで食うヤツが、この問題を深刻に捉える方がよほど滑稽かも知れない。

2012/02/24

寒い国から常夏へ

今月、derorenは某隣国へ旅行した。諸事情によりこの秋までは守秘義務が課せられているので詳細は書けないが(秘すべき内容などなにもないけど、そういう契約)、冷凍庫の中を旅する気分も味わえた。

 その国……というか、国名を秘す必要はないので韓国は、台湾よりも多くの日本人観光客が訪れている。関空出発ならば沖縄や北海道ぐらいの時間で着いてしまうわけで、近さは得がたいアドバンテージだろう(格安ツアー料金は、台湾と大差ないようにも見えるが)。
 derorenが滞在したソウル、釜山、慶州のすべてで、日本人の団体と遭遇した。まぁそれは、derorenの旅行にツアー会社が介在したという事情もあるのだが、ソウルでの自由時間に一人で北村を散策した時は、早朝で人通りもまばらなのにしっかり日本語が聞こえたゾ。
 言葉の通じない海外は苦手…という層にとって、韓国は非常に敷居の低い行き先だと実感した。

 でもなぁ。
 とにかく寒い。韓国は寒いのだ。

 derorenの滞在時期は、2月にしては比較的マシだったらしく、上下ヒートテック装備のおかげもあって何とか持ちこたえていた。しかし急に冷え込んだ某日のソウルでは、このままでは命に関わるのでは、というぐらい身体が冷えた。それこそ日本人だらけの仁寺洞、しかも真っ昼間に、だ。
 まぁそれは、直前に古本屋で物色したせいだけどさ。
 店構えも雰囲気も京都の古本屋と変わらなかったので、京都と同じ感覚で入り浸ったら、たった一つ違っていた気温にやられてしまった。

 慶州は飛鳥っぽいし、ソウルは大都市だけにいろいろ掘り出せばあるし、観光旅行先として韓国を選択するのはアリだと思う。移動と買い物に関しては、ハングルが読めなくともある程度は何とかなったし。
 しかし韓国は寒い。南国フルーツもない。というか、食材レベルで珍しいものは少ない(ほぼ同緯度の隣国なんだから当然だ)。やはり台湾の方がいいなぁ。


 ちなみにtomopeeは、毎月かかさず病院の世話になっている。昨日も発熱で診療を受けたばかりだ。
 慶州の屋外でも何度かベビーカーを見たけど、やっぱり寒いところより暖かいところの方が安心できるのではあるまいか。

2012/02/23

公学校用教科書『国語読本』と台南

tomopee
※この記事は1月末に書きかけて放置していたものである。なので、一部の時系列がおかしいのは無視しておくれやす。


 赤子連れ台南旅行は、3月挙行濃厚となっている。三人の体調も回復してきたし、今度こそは実現したい。
 ちなみに、2月中の旅行がなくなった結果、tomopeeは満1歳で台湾入りすることが確定してしまった。毎日「この世の終わり」の勢いで泣きわめくし、手のかかることには何の変わりもないけどね。

 さて、赤子はいずれ学校に行く。ということで教科書だ。言い切ってみたが強引にもほどがあるな。そもそも結びつける必要はあるのだろうか。
 まぁそんな枕はさておき、南天書局から出版されている、日本統治時代の国語教科書を某大図書館で発見した。その話。

 某大図書館では、いつも教育関係の棚を漁るのだが、その理由は「鄭成功の頌」をこの目で見つけたいからだったりする。一応『小西門』の本で確認できるとはいえ、個人的に孫引きは好きじゃないのだ。
 とはいえ、確実に載っている「公学校唱歌」の本は所蔵されていない。何かのついでに載るほどメジャーでもないらしく、某大図書館という範囲では未発見のままだ(記載されていたという事実だけなら見つかった)。
 ……ただ、今回教科書を眺めたことで、一つ分かったことがある。「公学校唱歌」は、まさしく公学校でしか歌われなかったんだろうな、ということだ。

 南天書局刊『日治時期臺灣公學校與國民學校國語讀本』は、一セットを除けば公学校で使われた教科書である。
 そもそも一般人は公学校が何か分からないだろうから補足しておくと、これは台湾総督府が台湾人向けに作った学校で、日本人向けの小学校とは区別されていた。
 日本人のガキと現地のガキでは基礎的な日本語力に差があるという名目もあろうが、周婉窈『図説台湾の歴史』などにも書かれているように、現地人の知的水準が上がらないよう分離したものだろう。
 高度な知識と思考力を持てば持つほど、総督府による差別にも敏感になる。まぁ当ブログは政治を語らないので、これぐらいにしておく。

 さて、四種の教科書のうち、最初のものは日本占領直後に刊行され、他とはかなり毛色が異なる。「太郎わ日本えゆきます」みたいな感じで、当時の日本語表記としておかしいのだ。
 まぁ恐らく、発音を優先して丸暗記させ、台湾人が日本語を操る姿を演出したかったのだろう。もちろん、暗記はどこまでいっても暗記でしかないが。
 他三種は、すべて当時の内地の教科書文法に拠っている。

 台南に関してはこんな内容が書かれていたりする。


 第十六 台南

 「今日は正吉に案内してもらつて、方々を見て歩いたらよからう。台南は古い都だから見る所が相当にある。」と、をぢさんがおつしやつたので、私は、中学校に行つてゐる正吉さんに連れられて、方々を見物することにした。
 正吉さんが、「台南神社・孔子廟(こうしべう)・開山神社・赤嵌楼(せきかんろう)、と廻つて、それから安平(あんぴん)へ行つて来ませう。」といふと、をぢさんは、「まあ、そんなところだね。安平の方は明日にして、先づ台南神社へ参拝するがよい。私も一しよにお参りしよう。」とおつしやつた。
 台南神社は、をぢさんの家から近かつた。神前に拝礼をすまして、をぢさんは、「これから御遺跡所(ごゐせきぢよ)を拝観しよう。ちよつと待つてお出で。社務所に行つてお願ひして来るから。」といつて、社務所にはいつて行かれたが、間もなく若い神主さんと一しよに出て来られた。
 私達は、神主さんの案内で、御遺跡所を拝観した。寝台(しんだい)も、毛布も、まことにおそまつなものであつた。宮様のやうな尊いお方が、かういふものをお用ひになり、こんなむさくるしいへやでおかくれになつたのかと思ふと恐れ多くて、胸がつまるやうな気がした。
 御遺跡所を出ると、をぢさんは、「わしはこゝから帰る。あとは二人で行つてお出で。」とおつしやつて、うちへお帰りになつた。
 二人は、台南神社からすぐ隣の孔子廟に行つた。こゝは孔子をまつつた所で、今でも毎年盛なお祭が行はれてゐるといふことだ。
 それから、鄭(てい)成功をまつつた開山神社に参拝して赤嵌楼に向かつた。
 「これはオランダ人がつくつたもので、もとはプロビンシヤ城といつたのです。それは、今から約三百年前のことで、その頃は、オランダ人がこの台湾を治めてゐました。その後は、鄭成功が治め、それから清(しん)の時代になつたのです。」
「昔は、こゝが首府だつたのですね。」
「さうです。」
「台南は、今、人口が.いくらありますか。」
「約十二万です。」
 二人は、楼上に上つて四方を眺めた。風が強くてひどいほこりが立つので、遠い所は煙つてゐるやうに見えた。私はこヽで絵葉書を買つて、記念スタンプを押してもらつた。
「さあ、これで一通りすみました。今度は台南銀座(ぎんざ)を通つて帰りませう。」
「台南銀座といふのはどこのことですか。」
「台南で一番にぎやかな通です。東京で一番にぎやかな所が銀座だからさういふのです。」
 なるほど、そのあたりは台北の栄町(さかゑちやう)通のやうなにぎやかな所であつた。うちに帰り着いた時は、ちやうどお昼であつた。

 翌日はバスで安平に行つた。台南と安平との間には、バスの通る道に沿うて運河(うんが)がある。途中池のやうなものがたくさんあつたので、正吉さんに聞いてみると、あれが魚塭(ぎよをん)だといつて、色々説明してくれた。
 十分もかゝらないで安平に着いた。磯(いそ)の香がぷんと鼻につく。バスを降りてすぐ赤嵌城址(じやうし)に上つた。こゝは小高い岡で、オランダ人のきづいたゼーランヂヤ城のあとであるといふことだ。正吉さんは、
「昔は安平は一つの島で、台南とははなれてゐたのださうです。今、僕等が通つて来たあたりは海だつたのです。安平の港も、昔は北の淡水(たんすゐ)と並んで、ずゐぶん盛なものだつたさうですが、今はこの通りすつかりさびれてしまひました。」
と話してくれた。沖を眺めると、ジヤンクが一さうさびしさうにかゝつてゐるだけで、遠浅の港には、波の音だけがさわがしく聞えてゐる。昔の繁栄(はんえい)は、どこにも見出すことが出来なかつた。
 こゝを下りてから、製塩会社に行つて見た。こゝには煎熬塩(せんがうえん)を造る工場があつて、雪のやうな塩が、山のやうにもり上げられてあつた。こゝを見てから、又バスに乗つて帰つて来た。



 台南神社、鄭成功関係、町の盛衰、主な産業と、小綺麗にまとめてある。まさしく教科書通りの内容だ(教科書だぜ)。今は跡形もない台南神社を除けば、現在の日本で紹介される台南と、それほど大差はないようにも見える。
 もっとも、大差がないのは当然である。この教科書も現在のガイド類も、所詮は日本の都合でまとめてあるのだから。

 南天書局のシリーズに一つだけ含まれる、公学校ではない小学校用教科書には、台南の項目がない。基本的に同様の項目で構成されていながら、台湾関係部分だけ削除されている(正確に言えば、公学校用に追加した、だろう)。
 その、削除された記述の中には、他でもない鄭成功の話も含まれる。

 母親が日本人だとさんざん利用しておきながら、在住の日本人向け教科書では取り上げもしない。その辺の本音が垣間見えて興味深かった。

2012/02/17

3月に行くぞ

桃園便を予約した。
 ジェットスターにしかけたが、赤子連れでローコストキャリア利用に不安を感じた上に、値段が変わらないこともあって、エバー航空にしたぞ。
 キャセイより6万ぐらい安いはず。桃園で一泊する(帰国便が朝8:30)ことを差し引いても安い。

 ちなみにエバー航空では、赤子連れの予約は二段階で行う。まず大人のチケットをウェブ上で購入。次に予約番号を確認して、予約センター(我々の場合は大阪)に電話、赤子の分を追加する形になる。
 予約は面倒だが、赤子対応はローコスト系より良さそうだ(乗ってみないと分からんけどね)。何より良いのは、キャンセル可能なこと。ジェットスターは購入したら一切返金されないし、突然体調を崩す赤子連れには向いていないと思う。

 なお、具体的な日程は公開しない。キャンセルする可能性は常にあるわけだし。
 tomopeeの体調は、本日時点ではかなりイイ。願わくはそれが持続することを。

2012/02/05

そろそろ予約するか

tomopee

 tomopeeの状態も落ちついた昨今。もう11ヶ月で、甘えん坊全開だ。
 結局、改めての台南旅行は3月になる予定。本当は2月末に入れたかったのだが、とある事情で家を空けづらくなり、渋々の延期である。
 ともあれ、あちこち迷惑はかけられないので、台湾入国するまで詳細は伏せておく。tomopeeの台南デビューが今度こそ無事に済むよう願うばかり。


 ちなみに、derorenは別の国に旅する予定もあったりする。恐らくこのブログでは取り上げないと思うけど。