2013/06/02

毒澱粉問題について、台南市が特設ページを開設

 伝聞記事だけで終わらすと、ただのデマ拡大になりかねないので、台南市政府のサイトを紹介。
 6月2日現在、サイトのトップ画面からリンクが張られている。

順丁烯二酸酐化製澱粉專區
 特設ページトップ。ちなみに「順丁烯二酸酐」が「無水マレイン酸」のこと。

本局相關新聞稿
 台南市政府が新聞に出稿した記事一覧。ワードのファイルで配布されている(台湾のサイトでは、ワードやエクセルのファイルをそのまま配布する例が多い)。

順丁烯二酸酐化製澱粉之Q&A
 無水マレイン酸についてQ&A集。粘度を増す(QQにする)目的で混ぜられたらしいこと、一般人の推定摂取量では健康被害のおそれはないことなどが記されている。 

本市澱粉工廠稽查資訊
 台南市内のデンプン工場の調査結果。

行政院衛生署食品藥物管理局「順丁烯二酸酐化製澱粉」專區
 台湾政府の特設ページ。気になる人はあわせて読んでほしい。


 これらの資料をざっと見る限り、食品そのものの毒性は、あまり深刻に考えなくとも良いように思われる。該当する食品ばかりを毎食食べ続けた場合は分からないが、カロリー過多や栄養の偏りの影響が先にあらわれそうだ。

 ただ問題はこの「毒澱粉」が、あらゆるジャンルの料理に拡大していた点にある。この粉は、近年の台湾人が求める食感を生み出すために利用された。「QQ」だ。
 台湾で飯を食ったことがあれば、「QQ」や「香Q」といった文字を知っているだろう。日本でいうならば、「グミ」のようにほどよい弾力のある食感だ。

 日本でも、さぬきうどんブームの中で、やたらに麺の弾力が喧伝されたりした。そもそも、お菓子としての「グミ」自体、そう古い歴史はない(本来のグミが果実であることを知らない人が増えたよね)。ああいう食感を求める層が、近年激増している点では、日本も台湾も本質的には大差がないと思う。
 もっとも、テレビ番組の「食尚玩家」で必ず「QQ」と叫ばれるように、台湾のQQ信仰は日本の比ではない。QQであらずは食べ物にあらず、みたいな空気が根底にあるのなら、事件を機にうまく冷却できればいいなぁ。
 似通った食感ばかりじゃつまらないでしょ。